【産廃コトバ図鑑 Vol.3】
「中間、行っといて!」って何のこと? 産廃処理の“心臓部”に迫る。
産業廃棄物の現場では、こんな会話がよく聞こえてきます。
「これ、中間行きで」「先に中間入れてから処分な」
初めて聞くと、「え、中間って何?途中ってこと?」と戸惑うかもしれません。
今回はこの「中間」の正体=中間処理について解説します。
■「中間」とは、廃棄物の“リファイン工場”
中間処理とは、廃棄物をそのまま最終処分せず、まず分別・破砕・焼却・脱水などの工程を行う施設や処理のことです。
つまり、“ゴミ”をいきなり埋立地に持っていくのではなく、
リサイクルできるものは資源に、処分すべきものは処分しやすく加工する、まさに「再生と分別の拠点」です。
■たとえば、こんな処理があります
- 破砕:家具や機械などを細かく砕いて金属・木くずなどに分離
- 焼却:可燃物を高温処理して無害化&減量化
- 脱水:汚泥などから水分を抜いて処理コストを下げる
- 選別:混合廃棄物を手作業や機械で仕分け
これらはすべて、中間処理=リサイクル前処理・処分準備の一環なのです。
■中間を経るメリットは?
- ✔最終処分量を減らせる(埋立削減=コスト削減)
- ✔リサイクル率が上がる(環境負荷の低減)
- ✔運搬効率もアップ(適正処理ルートの確保)
単に「途中の処理」ではなく、産廃の品質と価値を左右する大切な工程なんです。
■現場では「中間」で通じるが…
業界内では「中間処理場」のことを略して「中間」と呼ぶのが通例。
でもこの略称が、業界外の人を混乱させることもしばしば。
「中間って、中継所?」「積保と違うの?」と混同されがちなので、
契約書や行政対応では正確な用語の使い分けが重要です。
■まとめ:中間は“価値を生み出す”プロセス
「ゴミをただ捨てる」から、「資源として扱う」へ。
その分かれ道に立っているのが、中間処理なのです。
次回は、現場でもっともホットなキーワード「マテリアルリサイクル」と「サーマルリサイクル」の違いを掘り下げます!
