― 実は「年1回」では足りない施設もあります
油水分離槽、年1回の清掃義務を守れていますか?
工場や整備工場、洗車場、駐車場、飲食店などで見かける「油水分離槽」。
「そういえば、最後に清掃したのはいつだっただろう?」
「年1回くらい清掃しておけば大丈夫では?」
そんな認識になっていないでしょうか。
実は、油水分離槽の清掃については、すべての事業所に共通して「年1回清掃すればよい」という法律があるわけではありません。
施設の用途や規模、排水先、適用される法令などによって管理方法が異なり、対象となる施設では年1回どころか、6か月以内ごとに1回の清掃が必要になる場合があります。
今回は、意外と見落とされやすい「油水分離槽の清掃」について整理します。
そもそも油水分離槽とは?
油水分離槽は、排水に含まれる油分や泥などを、そのまま下水道や公共用水域へ流さないための設備です。
例えば、
- 自動車整備工場
- 洗車場
- ガソリンスタンド
- 工場
- 駐車場
- 厨房・飲食施設
などで使用されています。
水との比重差などを利用して油を浮上させ、砂や汚泥などを沈殿させることで、排水中の油分や固形物を分離します。
しかし、当然ながら分離した油や汚泥は「消える」わけではありません。
清掃しなければ槽の中に少しずつ蓄積していきます。
大阪府も、油水分離槽について「溜まった油は日頃から注意して回収」し、油水分離槽や沈殿槽に溜まった油や汚泥は定期的に取り除き、適正処理するよう案内しています。
「油水分離槽は年1回清掃」は本当?
ここは注意が必要です。
「すべての油水分離槽について、法律で一律に年1回の清掃が義務付けられている」という整理は正確ではありません。
例えば、建築物衛生法の対象となる「特定建築物」では、建築物衛生法施行規則第4条の3により、
排水に関する設備の掃除を「6月以内ごとに1回」行うこと
と定められています。
厚生労働省が示す維持管理基準でも、排水設備について6か月以内ごとに1回清掃することが明記されています。
つまり、該当する施設なら、
「毎年清掃しているから大丈夫」ではなく、原則として年2回程度の管理が必要
ということになります。
油水分離槽も「排水設備」に入るの?
ここも重要です。
厚生労働省の技術基準では、排水設備について、
- 排水槽
- 流入管
- 排水ポンプ
- 排水管
- 通気管
- 阻集器
などの維持管理が示されています。
油や泥などを排水から分離する油水分離槽やグリース阻集器などは、この「阻集器」に該当する場合があります。
厚生労働省は阻集器について、内部の異物を除去するとともに、油脂分や汚泥等を除去し、清掃後には仕切板等を正しく装着して機能を維持するよう示しています。